大阪府の建設業許可を最短で取得するには、どのような方法があるのでしょうか。
建設業許可を取得するためには、20種類以上の書類を準備する必要があります。書類に不明点が見つかると、審査に通りません。建設業許可の申請には労力と時間がかかります。
今回は、大阪府の建設業許可を最短で取得する方法と流れを解説します。
【本記事を読むメリット】
・大阪府で建設業許可を取得する流れが分かる
・スムーズな取得に向けて準備すべきことが分かる
大阪府の建築業許可の取得にかかる期間とは?
大阪府における建設業許可の取得までの期間は、どのくらいなのでしょうか。
1.「建設業許可の流れ」
以下は大阪府における建設業許可の取得までの流れを表したものです。大臣許可と知事許可で少し異なります。
- 申請書類の確認
- 事前チェックサービスの利用(知事許可のみ)
- 提出・受付
- 審査・許可通知書の発送
1つずつ見ていきましょう。
【申請書類の準備】
書類の種類が多く、全て書類を完成させるまで1週間から1ヵ月かかります。また申請書の提出方法には以下の指定があるので注意してください。
知事許可:冊に綴じて申請(提出用と控え用が必要なので合計4冊)、ホッチキスで止めるのはNG
具体的な書類については後述します。
【事前チェックサービスの利用(知事許可のみ)】
知事許可の申請では許可申請事前サービスを利用して提出します。許可申請事前チェックサービスとは、受付時の待ち時間の短縮や来庁の回数軽減を図るためのものです。
提出するものは以下のとおりです。
- 申請書類一式
- 確認書類の写し
- 建設業許可申請事前チェック送付表
- 返送用定形封筒
封筒は84円切手を貼ります。代理人によって申請する場合は、代理人委任状も提出してください。
「建設業許可申請事前チェック送付表は」、大阪府建設業許可申請の手引きの77ページと78ページにあります。
提出方法は郵送または専用ボックスへの投函です。郵送する場合は、一般書留または簡易書留で送付します。
〒559-8555
大阪府住之江区南港北1-12-16 大阪府咲洲庁舎(さきしまコスモタワー)1階
宛先 委託業者 大阪府行政書士会 申請担当 宛
投函する場合は、大阪府咲洲庁舎1階の建築振興課にある専用の投函ボックスに入れてください。
申請書類に不備がある場合は、申請者または代理人に連絡が入ります。申請書類に問題がなければ、「事前チェック完了通知書」が送付されます。
【提出・受付(大臣許可の場合)】
提出先は大臣免許と知事免許で異なります。まず大臣許可申請の提出先を解説します。提出方法は郵送・窓口の2つです。
郵送先は以下のとおりです。
〒540-8615
大阪市中央区大手前1-5-44 大阪合同庁舎第1号館
近畿地方整備局 建政部 建設産業第一課 建設業係 宛
専用の宛先用紙をダウンロード印刷し、必要事項を記入して封筒に貼り付けて送付します。専用の宛名用紙は以下のサイトからダウンロードが可能です。
国土交通省近畿地方整備局は、近畿地方における河川や道路、港湾空港、公園、官庁施設の管轄を行っています。ホームページでは各…
持参する場合は、近畿地方整備局の建設産業第一課まで持参します。受付時間は午前9時30分から午後4時30分です(正午から午後1時を除く)。
手数料は大阪国税局の東税務署に直接納入するか、ゆうちょ銀行から東税務署宛に納入します。
手数料の金額は以下のとおりです。
一般建設業と特定建設業の同時申請:300,000円
【提出・受付(知事許可の場合)】
事前チェックサービスで提出した申請書類に問題がなければ、「事前チェック完了通知書」が送付されます。
事前チェック完了通知書の発送日数は10日程度です。 事前チェック完了通知書が届いたら指定された期日までに来庁し受付手続きを行います。場所はチェックサービスと同じく大阪府咲洲庁舎1階の建築振興課です。
受付時には以下の書類が必要です。
- 本人確認書類
- 手数料
- 事前チェック完了通知書
本人確認書類は運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなどを持参します。
手数料を納付するには大阪府手数料(POS)納付用連絡票が必要です。こちらのページからダウンロードできます。
手数料の金額は以下のとおりです。
一般建設業と特定建設業の同時申請:180,000円
連絡票を窓口に持参し、手数料を納付します。
事前チェック完了通知書に追加の提出書類が記載されている場合は、記載された追加書類を提出してください。
【審査・許可通知書の発送】
大臣許可は、審査後許可基準を満たしていると判断された場合に「許可通知書」、許可基準を満たしていないと判断された場合に「許可の拒否通知書」が送られます。
知事許可の場合も同様に、提出した書類に問題がなければ許可通知書が送られます。許可通知書は転送不要の普通郵便です 。許可通知書は再発行されないので大切に保管しましょう。
2.「申請書類の用意と確認」
申請書類は以下のとおりです。申請書類は法人・個人によって異なるので、以下の書類を全て作成する必要はありません。
(「建設業許可申請の手引き 国土交通省近畿地方整備局」を元に作成)
申請書類は近畿地方整備局または大阪府のホームページでダウンロードできます。
近畿地方整備局(大臣許可の申請)のページはこちら。
大阪府(知事許可の申請)のページはこちら。
3.「行政機関での審査」
審査中、提出書類に疑わしい点があった場合は書類の修正や追加種類の提出を求められます。また職員が営業所に行って確認調査を実施することもあります。
審査で不明瞭な点が見つかると、審査が止まり許可の取得に時間がかかるので、提出する書類に誤りがないか確認しましょう。
建設業許可を最短で取得するには?
建設業許可を最短で取得する方法は2つあります。
1.「免許区分は知事免許」
大臣免許より、知事免許の方が早く取得できます。なぜなら、審査期間に違いがあるからです。
大臣免許:90日程度(近畿地方整備局の場合)
知事免許:30日程度(大阪府の場合)
上記の数字はあくまで目安ですが、大臣免許と知事免許では2ヵ月分の差があります。営業所が一つ大阪にしかないのであれば知事免許を申請できます。
2.「行政書士・事前相談を利用する」
行政手続きの専門家である行政書士に依頼することもおすすめです。行政書士に依頼することで、書類作成に労力や時間をかけず済み、本業に専念できます。
行政書士を選ぶ際のポイントを2つ押さえておくと良いでしょう。
【建設業許可を得意としているか】
建設業許可を専門とする行政書士とそうでない行政書士がいます。建設業許可は行政書士の仕事の中でも難しい業務です。
建設業許可の手続きについて経験が豊富にあるかや、取引数が多いか確認することが大切です。
また建設業許可に関する法律の改正が頻繁に行われているので、継続的に業務をしているかどうかもポイントでしょう。
【書類集めを任せられるか】
申請には申請書類の他に「確認書類」を提出する必要があります。確認書類は申請書類の内容を証明するためのものです。
申請書類は役所などに行って入手する必要があり、時間もかかります。書類集めを任せられる行政書士に依頼する方が早く申請できるでしょう。
また事前相談を利用するという方法もあります。大阪府では建設業許可申請に関する相談窓口を設けており、無料で相談できます。相談方法として、対面と電話があります。申請の手続きや必要書類についてアドバイスを受けられるので、ぜひ活用してください。
場所:大阪府住宅まちづくり部建築振興課 申請会場「相談コーナー」
相談日:月曜日から金曜日(祝祭日・年末年始を除く)
時間:9時30分から17時
相談専用電話:06-6210-9735
時間:9時から18時
大阪府で申請する際に気を付けるポイント
大阪府で建設業許可を申請する際に気を付けるポイントが4つあります。
1.「大阪府が求める経営実績の証明を用意する」
許可の申請における要件のうち、「建設業に関する経営経験がある」という項目があります。
申請するのが法人の場合は役員の常勤のうち1人、個人の場合は事業主か支配人のうち1人が「経営業務管理責任者」でなければなりません。
「経営業務管理責任者」に該当する人は以下のとおりです。
・建設業の許可を受けようとする業種以外の業種に6年以上の経験がある人
年数は経営を経験した年数であり、勤務年数ではありません。
経営業務管理責任者の実績を証明するには以下の書類が必要です。書類は経営経験が法人の役員の場合と個人事業主の場合で異なります。
【経営実績の証明(法人の役員)】
「確定申告書の役員報酬欄」で、報酬額が低すぎて非常勤となっている場合は認められないので注意が必要です。
【経営実績の証明(個人事業主)】
「工事の契約書・注文書・請求書」は、工事と次の工事の期間が12ヵ月以上空かなければ連続したものとみなします。
2.「常勤勤務の証拠を事前に用意する」
経営業務管理責任者や専任技術者における常勤性の確認に伴い、常勤勤務の証拠を事前に用意します。
常勤勤務の確認書類は以下のとおりです。
(「建築業許可申請の手引き 大阪府」を元に作成)
対象者によって提出書類が異なります。
個人事業主の場合:3の書類
個人の専業者の場合:3と5の書類
個人事業の従業員の場合:1と2の書類
役員の就任直後・従業員雇用直後の場合は、7と10の書類が必要です。ただし、就任後3ヵ月目の報酬が支給されていない役員は8と10の書類、雇用後3ヵ月目の賃金が支払われていない従業員は9と10の書類が必要です。
3.「大阪府では1月4日以降に法定様式が変更されている」
建設業法施行規則、建設機械抵当法施行規則、解体工事業に係る登録等に関する省令の一部改正によって、大阪府では令和3年1月4日以降、建設業許可における以下の法定様式では押印する必要がなくなりました。
・様式第6号(誓約書)
・様式第7号(経管証明)
・様式第7号の2(補佐証明)
・様式第7号の3(健康保険等加入状況)
・様式第8号(専技証明)
・様式第9号(実務経験証明書)
・様式第10号(指導監督的実務経験証明書)
・様式第12号(許可申請者調書)
・様式第13号(令3使用人調書)
4.「各証明書類の有効期限」
証明書類は有効期限のあるものがあります。書類を準備する時は注意してください。
(「建築業許可申請の手引き 大阪府」を元に作成)
まとめ:大阪の建設業許可は一度申請前に相談すべし
大阪府の建設業許可を最短で取得する方法について解説しました。
大切なポイントは以下の2点です。
- 知事免許を申請すると審査期間で短く取得できる
- 行政書士や事前相談を活用する
建設業許可は、申請までの道のりがとてもハードです。書類を完成させる作業は人によって1ヵ月かかる場合もあるでしょう。
当事務所「MIRAI行政書士事務所」では建設業専門の行政書士が対応しており、建設業許可の申請等のサポートを行っております。TEL06-6386-8000 まで
時間をかけずに建設業許可を取得したい事業者様は、ぜひ一度ご相談くださいませ。